『シックス・センス』

確かに最後に驚いた。ネタばれはありませんのでご安心を

ここんとこあまりにも長いレビューばっか書いていて少々疲れましたので、今回はサ
クッといきます。
『エクソシスト』だとばっかり思ってましたが、
実は『ゴースト・ニューヨークの幻』でした。

映画の最初にヒミツをバラしちゃダメよ、なんてクレジットが出てきますが...そ
りゃこんな秘密、あまりにもアホらしゅうて話せませんがな。しかしその秘密がなか
ったら、この映画ただのトラウマ癒しムービーで終わりですがな。つまり昔
の患者に逆恨みされてトラウマ持ちになった精神科医と、両親の離婚のトラウマから
周囲に電波飛ばしまくって周りからイジメられまくっている小生意気なガキが互いの
トラウマを癒し合うという、
アイデンティティを喪失しとる連中からカネを絞りとる
事しか考えていない自己啓発セミナー
の主催者が泣いて喜びそうな自分探しムービーだったん
ですねえ。コール君も自分の能力は役に立つんだ!!と気付いてトラウマを克服した
様ですから、将来はFBIに就職して過去の犯罪を暴きまくるが、やがて
層部に煙たがられた挙げ句暗殺されてしまうでしょう...って、これじゃ『X
ファイル』やがな...

それにしてもドラマや小説のトラウマ癒しって、どうして自分は人の役に立つん
とか僕には帰れるところがあるんだとかいうエセ前向き思考的な結論
になるんですかねえ。要するに自我を依存させる対象を切り換えただけやないの。今
度依存する対象がなくなったら、間違い無く人格崩壊しまっせ。だからシンジ君は最
終的には女の首を締めて八つ当たりするしかなかったんじゃないですか。あ〜あ、お
いたわしや。

この映画、オカルトチックな宣伝こいていますが、結局はベタなファンタジーだった
わけですから、死人も生きてる人間と同じ様に悩んだり服を着替えたりするのも当然
といえば当然でしょう。まあこれはコール君の主観が亡霊に投影された結果かもしれ
ませんが、コリン・ウィルソンだったら
「わしの考えてるX機能と違うやないか」
と言うかもしれませんね。ただ死人が罪状を告発するなんて、
まるで番町皿屋敷状態、和風テイスト入りまくりですがな。そういえば
学芸会で我が子の姿をビデオに取りまくるオッサン連中の姿もありましたが、あれっ
て日本の影響なんですかねえ。どいつも不器用なアメリカ人らしく、いまだにVHS
ムービーしか持ってないようですが、単に日本製品がキライなだけかもしれませんな。

ところで、ブルース・ウィリスって、ここ2年くらい随分沢山の映画に出てますが、
デミ・ムーアへの慰謝料対策ですかねえ。あんまり色々演ってるもんだから『薔薇の
素顔』と役かぶってますがな。そうそう、ヅラは似合わないから止めた方がいいと思
います。
では、また。



 
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