『オースチン・パワーズ』

お下劣パワー炸裂、思いっきり笑える怪作

時はLOVE&PEACEの60年代、大英帝国の威信をかけ、決めゼリフの「Groovy baby(おいたはダメよ)」とともに世界の悪と闘う「国際的ナゾの男」がいた。
その名は『オースチン・パワーズ』、今しも宿敵ドクター・イーブルを追いつめんとしたその時、イーブルはかねてから用意していたロケットで宇宙に脱出、冷凍冬眠に入り、時の流れを待つことになった....
と、まあこんな感じで始まるこの作品、表向きは007シリーズ(S・コネリーの頃の)のパロディなんだけど、どう見ても『007カジノ・ロワイヤル』を意識してますな。
(そういえばB・バカラックが特別出演してたり、LOOK OF LOVEが流れるシーンあたり、相当意識してるなあ)ただ『カジノ・ロワイヤル』は、おバカだけどなかなか豪華で洒落た作品だったけど、『オースチン・パワーズ』は違う。全編お下劣、お下品、下ネタギャグのオンパレード。(酒瓶で○○を隠すシーン、ソーセージを使ったギャグはもう抱腹絶倒モノ、間違いなく腹がよじれます)
さて、イーブルを追ってこちらも冷凍冬眠に入った主人公(冷凍睡眠から解凍されるシーンが傑作)を演じるは『ウェインズ・ワールド』で世界一知能指数の低いミュージシャンを演じたM・マイヤーズ。もろ付け毛の胸毛(いや、すごいんだ、これが)、ダサダサの眼鏡、デカ歯でたまらなく下品なスパイを、もうそれは楽しそうに演じてます。
そして悪役のドクター(こだわるんだな、これが)・イーブル、演じるは、こちらもM・マイヤーズなんですな。これがもろ007きっての悪役、スペクターの首領・ブロフェルドそっくり、もちろん猫をなでまわしるのもお約束。なんてったって名前がイーブル(悪)ですからね。もうあとは推して知るべし!という感じであります。
お互い90年代とのカルチャー・ギャップもなんのその、キッチュでポップな60年代の風俗(パワーズの着てる服がすごい)も取り混ぜ、細かいギャグ(敵の女スパイの名前、柔道チョップ、和風の部屋)をスパイスに、いろいろ細かく楽しめる映画です。
ロードショーはもう終わりそうだけど、どうせすぐビデオが出る(あとはWOWWOW?)でしょう。
ぜひ見てください。(PART2つくんないかな)
Groovy baby!!

 

 

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