『ガメラ3・邪神(イリス)覚醒』
この映画、実はこの冬に公開されたものですが、この映画について最近面白い小ネタ を仕入れたので、がぜんレビューを書く気が起きてきました。 30代以上の人なら、怪獣特撮映画の好みはゴジラ派かガメラ派に分かれる事と思けれ ど(なに、ガッパ?まあそういう人もいますが...)、きっとゴジラ派が多いはず。 まあこれば制作された本数がゴジラの方が多いという単純な理由もさる事ながら、旧 ガメラの映画としてのデキがあまりに酷かった(大映だし)からじゃなかろうか。 しかしながら、新ゴジラシリーズも、最初のうちは水爆実験で産まれた怪物が人類に 復讐するという、『フランケンシュタインの怪物(もちろんシェリー婦人の原作だよ !)』に匹敵する崇高なテーマ(メーサー砲車だのスーパーXXだの、ショボイ特撮 は東宝のお家芸らしく相変わらずだったが)を、旧ゴジラより継承していたのもかか わらず、シリーズが進むにつれ、バラと沢口靖子の怪物だの宇宙怪獣だのと対決させ て堕落の一途を辿ってしまったのは記憶に新しいところであります。 その点『平成ガメラ』はエラかった。これはゴジラへの反面教師という事でもあるけ れど、日常生活に怪獣がやってくると政府は、人々はどう振る舞うのかという、リア リティのある描写を丁寧に積み重ね、見せ場としてのギャオスやレギオンとの怪獣同 士の対決のカタルシス(新ゴジラはここが全然ダメだった)も盛り込み、破綻のない ストーリーを構築してました。そして私は旧作の事は水に流してこのシリーズを大喝 采で迎えたのでした。 しかし!!そんな私でもこの『ガメラ3』には多いに不満が残ったぞ。 そもそも、メインコピーが『わたしはガメラを許さない』だものなあ。これは怪獣映 画の禁じ手ですがな。だってこれを追求するとウルトラマンもミラーマンもスペクト ルマンもアイアンキングもその世界が成立しませんがな。怪獣に家族を殺された少女 の憎しみをテーマの中心に据えた事で、ガメラ3は『リャンハンしばり』ならぬ『前 田愛しばり』にあうわけです。 かてて加えて、今回はギャオスの復活やガメラの謎の解明にまで風呂敷きを広げた上 、藤谷”セガール”文子や中山”アクアフレッシュ”忍、本田”ゴジラにも出てるだ ろう”博太郎などなど、御馴染みのメンバーの動きも追わねばならぬ。シリーズもの の宿命とはいえ、消化不良を起してしまったのもむべなるかな、です。せめてあと20 分余裕があればなんとかなったろうに...... −−−−ストーリー紹介−−−− 両親をガメラに殺された(と思い込んでいる)前田愛は、やむなく奈良のおばさんの 家にいやいやながら身を寄せていた。ご多聞に漏れず転校先では猛烈なイジメにあっ ており、イジメを止めてもらうのと引き換えに、古びた祠の『要石』を取ってくるよ うに命令される。すると変な生物が孵化し、さっそく前田愛になついてしまう。彼女 の運ぶ食料で成長したその生物は、実はギャオスの突然変異で、ある日前田愛とA10 神経接続を果たしてパワーアップする。暴走する初号機、じゃなかったイリスは、前 田愛のウラミパワーを察知したか、まずはイジメっ子を血祭りに上げた後、イジワル なおばさん一家をも亡き者にしてしまう。果てはなんと仲間由紀江ちゃんまでなぶり 殺してしまうのだが、これはやりすぎであった。 同じ頃渋谷で復活を果たしたギャオスとガメラの戦いで、渋谷は廃虚と化してしまう 。あわてた日本政府は、怪獣対策のために中山忍や藤谷文子を招集するのだが、なぜ か山崎千里が現れてハナシをややこしくしてしまうのであった。 さて、巨大化を果たしたイリスは、前田愛を迎えるべく京都駅に飛来、見事彼女をエ ントリープラグ、じゃなった体内に取り込んで、さっそく暴れまくるのであった。京 都府民の怨念が通じたか、JR京都駅は木っ端微塵に粉砕されるが、暴走したエヴァが 制御出来なかった様に、前田愛をもってしても暴走を続けるイリスは、アメリカ人で さえ破壊をためらった京都を火の海にしてしまうのであった。 そこへギャオスを血祭りに挙げる事しか脳ミソにないガメラ登場、かくして人間を完 全に無視した怪獣同士のハタ迷惑な最終決戦はその火蓋が切って落とされたのであっ た.. . 特撮はスゴイです。 このあたり、エヴァで特殊効果を担当した樋口氏の面目躍如といったところでしょう か。相変わらず吊りヒモでモスラを飛ばしてる川○弦一は、彼等を見習うか、そろそ ろ日本の特撮界から引退すべきですね。 しかし脚本の方はイマイチ練り込み不足。中でも山崎千里演じる内閣調査室の巫女( ってのがよくワカランのだが)と、前田愛を救おうとけなげに京都までやってくる神 社の少年の扱いがどうにも中途ハンパ。いっそのこと、少年が投げる剣がロンギヌス の槍にでもなって、イリスに突き刺されば面白かったろうに(爆) ラストシーンも再考の余地があったのでは?これじゃせっかくパート1、2で示された 、ガメラが護る明るい世界ってのがフイになっちゃうじゃないの。 しょうがないから、最後に私が某所から拾ってきた小ネタを披露してこの項はオシマイ。 草野「さて有田さん、話題の○宮さんに関してなんですが」 有田「皆さんもご存知のとおり、ここ数年、○宮さんはア○ナさんをどうにか 羽○さんから引き離そうとしていたんですが、今回ア○ナさんが自分から 関係の解消を発表したわけです」 草野「なにか、解消の直接のきっかけになる出来事があったという話ですが?」 有田「私が関係者の某氏から聞いた話では、どうもある男性が、 これはア○ナさんに非常に近しい人物なんですが その人が京都駅で彼女を引き止めて、 これで彼女の気持ちに変化があったのではないか、と言う話です。 あとはご存知の通り、○宮さんの『炎のパンチ』が 羽○さんに炸裂してア○ナさんはぶじ救出されたというわけです」 市川「ちょっと羽○さん、あっけなかったですねー」 小沢「でもねぇ、いくら引き離したいからってホントに (自分の)手を切っちゃったら、後が大変よ」 市川「いやー、これこそがやはり親の愛情、というものではないですかねー。 ア○ナさんも後で『ごめんなさい』と言ったわけですし。 やはり親の愛が通じたんだと思いますね。私は本当に感動しました」 小沢「そりゃ私も感動しましたよ。けど、これからどうするんでしょう。 あんなに沢山の借金トリが押しかけて来るのよ。 ガメ…○宮さん一人じゃとてもやっつけられないでしょ」 草野「なるほど。たしかにこの状況は○宮さんにとっては 大変厳しいものに思えるのですが…どうでしょう?」 有田「後ろには闘いを見守る娘さんたちが控えていますから ○宮さんにしてみればこれほど心強いことはないと思います」 市川「それはですねぇ、映…ワイドショー的完成度を優先させたんですよ。 娘を許し、さらに敵わないかもしれない敵を迎え撃つ父親の立ち姿、 これこそがこの映…ワイドショーが語るべき、 かつ語られた物語だったんですね」 有田「私は製作者の人たちに一言、『ありがとう』と言いたいですね」