『エンド・オブ・デイズ』

1999年最後にして最大のダメ映画


みふりん:辛口映画ハンター
mitch:映画好きスノーボーダー

mitch
(以下m)

みふりん
(以下み)




























































































































2000年も何事もなく無事に明けたねえ。


当たり前だ。前から言ってたけど、あれはMSとIBMの陰謀だって。ゲイツがCEO辞めたのはパッチソフトで
儲け過ぎてウラミ買ったからじゃないの。だいたいエンジンならいざ知らず、コンピュータが止まったくらいじゃ
飛行機は墜ちないって。

だけど日本の原発では2、3トラブルがあったよ。

普通ならただのバグで済んでるって。なんでも2000年問題のせいにするのはキリスト教の連中が悪事をみんな
悪魔のせいにするのと同じだね。

悪魔といえば、『エンド・オブ・デイズ』はどうだった?噂じゃかなりのバカ映画らしいけど。

バカ映画じゃなくてダメ映画、某批評ページで「キリスト教の知識があれば楽しめます」とか書いてあったけど、
そんなん大ウソ、ちょっと聖書に詳しいからってエラそうな事言いおって。
モノリスを只のドミノにしたピーター・ハイアムズはボンクラ監督じゃ。

『カプリコン1』は良かったけどね。

あれはビギナーズ・ラック。で、この映画のストーリーだけど、サタンがなぜかニューヨークの地下に眠ってて、
1999年の年末にいきなり眼を覚ますところから始まるんよ。

さすが“現代のバビロン”ニューヨークだね。で、何のために目覚めるの?

これがケッサクで、あるねーちゃんにダミアン君を孕ませるためなんよ。で、そのねーちゃんことクリスティーンは
“デイモスの花嫁”になるべく20年前に産まれてきたっていうのね。

『ローズマリーの赤ちゃん』だなあ。

そうそう。で、ダミアン君に次の1000年を支配させようと企んでるわけ。

なんじゃそりゃ〜、自分で世界征服すればいいじゃんか。

きっとサタンの寿命は1000年なんだよ。

じゃあ1000年前の西暦999年にもサタンの子が生まれたのかねえ?

多分デーモン閣下だよ、それ。

彼は1万と35歳(だったかな?)だって。

まあ深く考えないように。で、サタンは女とまぐわるためにまずは株屋の身体を乗っ取るんよ。

まんま『ディアボロス』だなあ。

で、彼女を探してニューヨークをウロウロしてる間にシュワちゃんに見つかるのね。

なんかショボいサタンだなあ。

する事もセコいよ。ねーちゃんのチチ揉んだり、死にかけの坊主を天井に吊るして殺したり、
ガソリン小便垂らしてシュワちゃんの相棒を焼き殺したり....

そこは『セブン』だな、まさに“悪魔の所業”。そ
こでサタンの野望を阻止するためにシュワちゃんとサタンがハルマゲドンを起すと...

ところがなかなかそうならない。それどころかサタンはシュワちゃんのトラウマをつついて、
こちらに味方せいとオルグし始めるのね。

まだるっこしいね、サタンなら一思いにブチ殺せっちゅうの。

きっと1000年ぶりに地上に出たからお友達が欲しかったんだよ。でね、サタンの口上がケッサクで、
「おまえは神を信じないんだろ?神に祈ったって何もしてくれん、だったらワシにつけ、エエ思いさせたるぞ」って、
まるでルークをオルグするベイダー。

『帝国の逆襲』か、じゃあシュワちゃんは右手を切り落とされて....

いや、穴開けられるの。でも窓枠にぶら下がるトコは一緒。結局交渉は決裂して、
彼女を守るためサタンと決戦する事になるんだけど。

しかしどうやってサタンを倒すのさ?坊主はアテにならないんだろ。

ところがアメリカ人はバリバリの合理主義者だから、近代兵器でサタンに立ち向かうんよ。
シュワちゃんもコマンドーに変身してマシンガンだのロケット弾だのを撃ちまくる、
ついでにサタンに操られてる昔の仲間達も容赦なく射殺するし。

やっぱ『コマンドー』になったか。

最後はシュワちゃんがサタンに憑依されるんだけど、自ら身体をクシ刺にして相討ちして果て、
無事2000年を迎えることが出来ましたとさ。

結末は『エクソシスト』と同じだね。シュワちゃんが殉職するなんて...
それにしてもこの脚本オリジナリティは無いのかね。

ないない全然ない。クリスティーンを殺しに来たバチカンの坊主どもも、
「我を・魔オたまえアーメン」とか言うとる間にサタンにブチ殺されるし。

そりゃ『オーメン』だよ。

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思うんだけど、アメリカ人は悪魔が好きなんじゃないかな?そもそも悪魔ってキリスト教の坊主どもが
「神を崇めないとバチが当たるぞー」と民衆を脅すための道具として“開発”したものらしいし。“諸悪の根元”
とか言うて悪いことをみんな悪魔のせいにするよね。

そいうだけど、それがアメリカ人の悪魔好きとどう繋がるの?

もともとアメリカに最初にやってきた連中はピューリタンだっただろ。禁欲的な生活を信条とする彼等は、
日常生活のアチコチを信仰に締め付けられた挙げ句、一種の神経症になったしまったと思うんよ。
つまりあまりにも快楽を抑圧した結果、快楽を悪魔の所業と結びつけて強迫観念として嫌悪する様に
なったんじゃないかねえ。

つまり快楽は堕落に通じ、人間を堕落に導くのは悪魔の仕業だという論法か。シメすぎは良くないね〜。

そうそう。反面カソリック社会では、快楽に対して寛容なため悪魔信奉者が少ない、
何しろカトリックの坊主はかたっぱしから女コマしてガキをこさえてるからね。話を戻すと、
要するに悪魔とは自分になり替わって快楽を追求してくれる憧れの象徴なんよ。

反発しながらも憧れる...か、だから魅力的な人は男女を問わず“
悪魔のようなアイツ”と呼ばれるのか。身近にもいるぞ。

ところがこの映画のサタンは映画史上最弱、ショボくて全然魅力的じゃない。
おまけにあんなガリガリのねーちゃんひとつコマせないし。

サタン失格やね。

悪魔の復活が東部標準時間で決まるってのもトホホだよ。
何しろ666をひっくり返して“999=1999年”だと、
この坊さん五島勉の本読んでたんじゃないか。

オカルト好きなのは日本人だけじゃないのね。

でも今回わしは悪魔の存在を確信したよ。

そりゃまたなぜ?

こんなカスみたいな映画に1800円も払ってしまったからね。ほら、『魔がさす』って言うじゃない。

 
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