アルマゲドン
アルマゲドン

 

今一番「正しい」ハリウッド映画? 君は泣けるか?!

 今から6500万年前、地球に巨大な隕石が落下、恐竜の絶滅などの環境の激変を引き起 こした。

 これを俗に『ジャイアントインパクト』という。 そして来年2000年、今度は南極に彗星が衝突、全世界の人口の約半数が死滅する。

 こ れがいわゆる『セカンドインパクト』である。(あれっ?)

 さてさて、1999年は天から何かがやってくるらしいので、去年から今年にかけて彗星 やら隕石モノが立て続けに2本公開された。

 いうまでもなく『ディープ・インパクト 』と『アルマゲドン』のことだけど、同じテーマを扱いながら製作プロダクションが 違(『ドリームワークス』&『ジェリー・ブラッカイマー』)うと、ここまでカラー が違うのか!と思いましたね。

 ジェリー・ブラッカイマーの映画といえば、 ・スピーディー(で、割とご都合主義的な)な展開 ・「あと数秒」のスリル ・ハデな爆発シーン ・薄っぺらな人物描写 などなど、まさに娯楽映画の王道を行く、今最も『正しい』ハリウッドスタイルを見 せてくれるんですな。うう、私の最も好きなパターン。

 加えて本作品では、泣きの部 分もキチっと押さえているものだから、こりゃーヒットしないワケがない。タイタニ ックを抜く!!というのはオオゲサにしても、まあ今年の稼ぎ頭にはなるでしょうね。

 今更解説するのも何ですが、ざっと粗筋を説明すると、 地球に接近してくる巨大な隕石が突如発見された。このままでは地球に衝突して人類 が滅亡してしまう。これは一大事とNASAで色々と対策が検討される(ここで色々出て くるアイデアというのが情けない限りで、劇中人物のセリフじゃないけど、「おまえ らそれでも人類の最高の叡智なのか」といいたくなってしまう。これNASAのヒトが見 ておこらないのかね?)のだけど、隕石に着陸して穴を掘り、核爆弾を仕掛けて真っ 二つにしてしまう!という事に決まる。そしてその任務にスペシャリストとして選ば れたのが、B・ウィリス達石油採掘のプロなのであった。厳しい(?)訓練を経て、2 機のシャトルで隕石に向かうメンバー。果たして任務は成功するのか!!

 と、まあこんな感じですね。 よくこういう映画で科学的考証が間違ってる!!とツッ込みを入れるのは、スレっか らしのSFオタクと相場が決まっているものだけど、どうもこの映画はフツウの人でも それをしたくなってしまう不思議な雰囲気がある。どのシーンがどうというつもりは ないけれど、それでも「見せて」しまう特撮&CGは文句なしに凄い。 ただ2時間半の上映時間で、見せ場が次々とやってきて、見終わった後えらく疲れて しまった。やはり余計なシーンが多いと思う。もっとカットして見せ場を凝縮すれば いいのに、と思ってしまった。(ロシアのステーションのシーンや、S・ブシェーミが 機銃を乱射するシーンなんか、いったい何のためだったのか)これもプロデューサー の「サービス」なのかしらん。過剰サービスだなあ。

 「泣き」のシーンも、あまりにも展 開がミエミエだから、私は泣けませんでしたね。 B・ウィリスは、久々にいい役だったと思う。彼が父親役ってのは少々ムリがあるけど。 R・タイラーはオヤジに似てなくてホントに良かったね。しかしシャトルのメンバーの 大半は、「何のために出てきたの?」という感じ。あれじゃ「エグゼクティブ・ディシジョン」のS・セガールよりもひどいや。「怪優」S・ブシェーミも、なんか騒いでいるば っかで、ストーリー上何の役割も果たしてなかったな。『コン・エアー』の時はよか ったのに...

 まあ色々とケナしましたが、私自身はこのテの映画は大好きです。 とにかく、「映画を見たい!!」という人は迷わず見ておくベシ。 でもなるたけ音響の良い映画館で見なきゃダメよ。

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