『A.I.』
『愛』とは何か?世間ではキリスト教という恐るべきマゾ宗教のドグマとして理解さ れているが、実のところ岸田秀先生が喝破した様に、つまりバテレンの宣教師ども が性欲の生々しい現実を隠蔽するために発明した自己欺瞞用語に過ぎない。 おそらく人間はほっておくと性欲のなすがままに一日中やりまくって、辛気くさい坊 主の説教など聞いてくれないという脅迫観念が背景にあったのではなかろうか。 その通りである。あまたの人間の行動原理は性欲により支配されている。 性欲=リビドーとは、つまりやりたいという欲望だ。 そして男の場合、リビドーはチ○ポを使って満足させることができる。 しかしこの映画の主人公、ペットロボットのデビッド君(通称デビ坊)には、リビドー は仕込まれているがチ○ポが付けられてない。たぶんチ○ポを付けておくと、近親相姦のタブーを持たないロボットは、おかんを愛したい=おかんとやりたいと なり、母親願望者の育児プレイがとんでもない事になるであろう事が予想されたから であろう。まあキカイダーに良心回路が付けてあるのと同じですな。かくしてチ○ポ という出口を持たない彼の愛=リビドーは、ひたすらおかんの独占という近親相 姦的幼児性欲的行動で自閉してしまったわけですよ。要するに赤ちゃんと同じ極 度のナルチシズム状態なわけですから、自我を犯す存在は全て邪魔者だ、ということ で母親に刃物を向けるわ、兄貴を亡き者にしようとするわ、完全に自制がきかなくなっ てしまいます。 それもこれも、みんな彼に○ンポがないのがいかんわけですよ。 やりたいのにやれない。 当然の事ながら母親に捨てられたデビ坊は、自らの寸止めリビドーを解放してもらう ために、光明寺博士ならぬチ○ポがないからだ=自分が人間じゃなからだ、という具 合に問題を摺り替えてしまう。 ここに至って私は『A.I.』が永遠のマザコン童貞エロガキのリビドーは果たして成就 できるのか?というハナシではないかと気が着いたわけですよ。道理で何で出てきた のかようわからん、文字通りのセックスマシンであるジゴロのジョーですが、チン○ だけあってリビドーがない存在という事で、デビ坊のリビドーの自閉性を強調するキャ ラだったわけですな。 で、色々苦労するかと思いきや、さっくりとオズの国に着いてジョーもあっという間 に退場、スピルバーグもめんどうになったんでしょうなあ。 ここで驚愕の事実、実はエロエロシティーのインチキ博士のアドバイスが、実は設計 者の陰謀だったという事実が判明、レプリカントは腹いせに博士の目玉を潰して殺し てましたが、デビ坊は自分のスペアを完腑なきまで破壊、ああ、純真(に見える)オ スメント君、悪鬼の形相でロボットの首を切り落とす、いいんですかねえ、こーゆー のコドモにやらせて。おまけにロボットのくせに投身自殺、アシモフ博士のオキテは どうなったんでしょうー。しかしもはや汚れきって生き意地のキタナくなったデビ坊、 後先考えずにクマ公を道ずれに観覧車に特攻!2000年も水中に閉じ込められてし まうんですな。テディ君大迷惑。でも電池切れまでにデビ坊がしてた事といったら、 遊園地の人形にひたすらお願いするだけ、「ボクを人間にして」ですと。学習もナニ もありません。これはすなわち「ボクにチン○を与えて、そして中出しさせて!」と いう事ではありませんか。 で、いつの間にか絶滅してもうた人間に替わって2000年後にデビ坊を拾ったのが ああた、宇宙人でっせ。それもペプシマン!またかよスピルバーグ。 で、何でも願いをかなえてあげると言いながら、このペプシマン、人間にしてという デビ坊の魂の叫びに、<「それはムリ」、あんたウソつきや! じゃあママ型肉奴隷をつくってよう、リビドーの叫びには「生き返らせても 一日で死んでしまうのさ」ときた。ここまで観客を追い込むか、スピルバーグ、いや このずず黒さはキューブリックに違いありません。 辛い、辛すぎます。 それでもデビ坊は、一日だけママ型肉奴隷に寸止めリビドーの限りをぶつけ、冷たい 腕に抱かれて安らかな眠りにつきましたとさ。めでたしめでたし。 全然メデたくない。 何の解決にもなっとらん。 スピルバーグはデビ坊を救いたかったのか、それとも突き放したかったのか?? まあ彼も腹の底からずず暗いキューブリックと仕事しとるうちに、この世には神も救 いもない、と方針転換したのかもしれませんねえ。だいたい晩年リビドーだだ漏 れの断罪主義者の脚本を永遠のお子ちゃまが映画化するとゆーのはかな りムリがあったんじゃないでしょうか。 そうそう、キューブリックのダダ漏れぶりをもうひとつ、デビ坊量産型とともに置い てあった少女型ロボット、あれどう見ても幼女プレイ用ダ○チワ○フでっせ。 きっとキューブリック版のラストは、人類の滅びた地球上でお子ちゃ まロボットが不毛なセックスを延々する、とゆーものだったに違いありませ んぜ。 |